日本における信用組合(しんくみ)

日本における信用組合の歴史に目を移します。

日本古来の信用組合の源流は、江戸時代後期に始まった「五常講」や「先祖株組合」と言われています。

「五常講」は互いに生活を支えあうために資金を貸し借りする制度です。金次郎像でお馴染みの二宮尊徳が儒教の教えを元に創設し、主に東海地方の一部に発達しました。

「先祖株組合」は村民が所有地を提供し、その所有地からあがる収益で困窮者を救済したり、土地改良や農地開拓を行うための資金をつくる仕組みです。大原幽学が創設し、千葉県の一部に発達しました。

その後、西洋由来の信用組合が、明治時代にドイツに留学した品川弥次郎(1843-1900)と平田東助(とうすけ)(1849~1925)によって伝えられ、明治33(1900)年に基となる「産業組合法」が成立しました。

その後、昭和18(1943)年、市街地信用組合法の制定の後、戦後の混乱期の中で新しい協同組合制度が検討され、昭和24(1949)年、「中小企業等協同組合法(中企法)」と「協同組合による金融事業に関する法律(協金法)」が施行となり、これを根拠として、新しい信用組合の歴史が始まることとなりました。